大分気候も暖かくなりつつあるこの頃。


私には 変化が起こり始めていた。


「高木 ちょっと。」


3限と4限の間の休み時間。


隣のクラスから彼が私を呼びにきた。


「佐々木くん また?」


呆れ顔で話を聞いてみたがまたこれ。


「アイツ メールも無視だし 声かけても素っ気ないし どうすればいいかわかんねーっつの。」


そう 潤に手こずっているご様子。


「だから 潤はしつこいのが嫌いなの。 もっと爽やかにいかないと。」


「えー じゃあメールもしばらくやめる?」


「うん。」


頼られてるのを全身で感じる日々。


佐々木くんに気を遣うこともなくなり 相談も快く引き受けている…つもり。


「なんだよっ もう絶対にむりだよな。」


プライド高いけど弱音ばっかで だけど結構Sっ気の強い佐々木くん。


恋愛には意外にも誠実で 一途。


だけど一方で ちょっと融通のきかない性格がやっかい。


扱うのも大変だった。


「すぐに弱気にならないの。」


基本 冷静で静かな方の私は たまに佐々木くんにもどかしさを感じる。


どうしてもっと勢い任せになれないかな。


「なんか イケる気しない。」


潤に対しては弱気だし。


「はー…。ネガティブやめなよ。」


次数学だ…。


宿題の続きやりたいのに…。


ちょっと 面倒だなと思うこともある。


だけど なんで彼に付き合ってしまうのかな。