時々母さんに会いに行ったり、
心夜さんのマンションで
四人で食事したりしてるけど
父さんはあの日から
母さんに会いに行ってない。

「直ってさぁ、
昔から頑固な所があるんだよ」

そぉなのか……

「で、一度決めたら
それをとことん貫き通すみたいなね」

初めて知った。

「実はね、
この間由那さんから電話が来たんだ」

……ぇ?

「母さんから電話!?」

一体何の用だったんだ?

「直は元気かとか心は
迷惑かけてないかとか色々聞かれたよ」

父さんの事はともかくとして
オレが迷惑かけてないかって
幾ら母さんでも酷くないか?

「その電話、父さんは
知らないんですよね?」

「そぉ、直は知らないんだよ」

心夜さんと母さんの話しをしてると
後ろから声を掛けられた

「二人で内緒話し?」

声を掛けて来たのは琢磨だった。

「ぅゎっ!?

琢磨、いきなり話し掛けるなよ」

ビックリしたぁ~

父さんかと思ったぜ……

深呼吸してから今、
心夜さんと話してた事を
琢磨にも話す事にした。

「実はな、心夜さんの所に
母さんから時々電話が来るらしいんだ」

そぉ告げると琢磨はまさに
開いた口が塞がらない
状態になるくらい
あんぐりと口を開いている。

「お、おばさんは
何の用で掛けて来るんだ?」

仕舞いには吃(ども)り始めた(笑)

「父さんとオレの心配をしてるらしい」

「そぉなのか」

まぁ、母さんも
一人で寂しいんだろう。

「心夜さんは父さんが母さんに
会いに行くことを反対して
ないんですよね?」

「あぁ、
俺は会いに行けばと
言っるんだけど
直は行かないの一点張りさ」

父さんも困ったものだ。

確かに、あの時は喧嘩になったし
色々あったけど母さんも
もぉ怒ってないのだ。

オレや琢磨が行くと今では
嬉しそうに出迎えてくれる。

そして、今では父さんやオレの

心配をして心夜さんに電話を
掛けてくるくらいだ。

怒ってるはずがない。

「そぉだ、今度内緒で由那さんを
此処に連れて来たら
直はどんな顔をするだろうか?」

悪巧みを思いついた子供のような顔で
心夜さんがオレ達に聞いて来た。

「ビックリして倒れると思いますよ」
と言ったのはオレ。

「おばさんの姿見て逃げ出すとか?」

これは琢磨の言葉。

「二人共なかなか面白い意見だね」

「心夜さんはどぉ思います?」

「俺はねぇ、
多分両方だと思う。

由那さんの姿見て、
一旦卒倒した後、復活して逃げ出す」

両方!?

そして、どぉなったかというと……

心夜さんの言う通りになった。

母さんの姿を見て卒倒し、
五分後復活したと思ったら即行で
玄関から出て行った。

「流石心夜さん♬*.+゜

父さんのことなら
何でも分てるんですね」

これも愛の力なのかも知れない。

大慌てで出て行く
父さんの姿を見て四人で笑った。
「直の考えは結構分かり易いよ」

カラカラと笑いながら心夜さんは言った。

「しかし、あんなに大慌てで
出て行かなくても
いいと思わない?

失礼しちゃうわ」と

少しむくれて母さんが言った。

その後、心夜さんが父さんを
連れ戻して来て母さんを含め
五人で夕飯を食べた。

色々あったけど、
今は夕飯を共にするくらい
仲良くしている。