「良かっね」と言われた。

その後は心と一緒に
ソファーに並んで座って心夜の本を読んだ。

心が渡した本の
登場人物はおそらく、
俺と心夜なんだろ。
心が俺にこの本を渡した
理由がよく分かった。

そんな日から
一ヶ月が経ったある日、
由那が寝た後心が
話しがあると書斎に来た。

「心、話したいことって何だ?」

「母さんと
琢磨のことなんだ……」

由那と琢磨君のこと?

心の話しを纏めると
由那が琢磨君を
呼び出してたこと
それから、見合いしろと
言われたらしい……

「そんな事があったのか……」

全く由那は
何を考えてるんだか。


「ごめんね父さん……

やっと心夜さんと
また会える様になったのに」


心に謝らせてしまった。

「心が謝ることじゃないだろう?

これは、琢磨君を
勝手に呼び出した
由那が悪いし、俺と心夜は
上手くいってるから大丈夫だ」

「今は心と琢磨君のことを
由那に納得させるのが最優先だ」

とにかく今は俺のことは
一旦置いといて二人のことが先だ。

俺の二の舞は踏ませない。

「ありがとう、父さん」

礼を言われた。

「どういたしまして。

心達のことを納得させたら
俺のことも話そうと思ってるんだ」

離婚話をな……

「そっか。

でも、母さん怒り出しそうだね」

確かにそれは覚悟しなきゃな。

「母さんには悪いと思うが
愛がないのに一緒に居る方が
俺はどぉかと思うんだ」

これは本音だ。

「さて、何時、話すかな……

まずは心達のことだよな」

なにがなんでも
二人には別れないで欲しい。

「そぉすると琢磨君も
呼ばなきゃいけないが連絡は取れるか?」

「ぅん」

よかった。

「じゃ、琢磨君と相談してくれ」

こっちの都合で決められないからな。

「分かった部屋に帰ったら
早速メールしてみるよ」

琢磨君が
来てくれるといいんだが……