心夜のことを聞かれて
俺は噂のことを話した。

「風の噂で小説家になったとは
聞いたんだが本当か嘘かは知らないんだ」

そう答えたらPNを聞かれた。

「因みにPNは?」

「確か、
伊宮直季だったと思う」

そぉ言ったら心がいきなり
部屋に走って行った。

そして、戻って来た心のは
本が何冊か持っていた。

「はい、これが心夜さんの
書いてる本だよ」

何冊か持ってる内の
一冊を渡して来た。

「読んでみて」

渡された本の題名は
「あなた以外
愛せない」だった。

「父さんはさ、今でも
心夜さんのこと
愛してるんでしょ?」

何か、疑問形なのに
確信を持った言い方だ。

此処で隠しても
しょうがないから正直に言おう。

「ぁぁ、母さんには
悪いが今でも心夜を愛してる」

見合い婚で最初の頃は由那を愛す
努力はしたけど
心の奥底では
心夜を愛したままだった。

「そぉだと思った」

やっぱり心は
分かってて言って来たんだな(苦笑)

「ねぇ父さん、もぉそろそろ
母さんと別れてもいいんじゃない?」

「いきなり、何を言い出すんだ」

まぁ、心夜を愛してると
認めた時点で
由那を愛してないと
言ってるも同然だが……

心はそれでいいのか?

「オレも二十過ぎたし、
父さんがまだ心夜さんを
愛してるなら会いに行くべきだ」

心は優しいな。

「しかし、作家になった今
何処に住んでるかも知らないし……」

「心夜さんの実家とかは?」

今更、電話していいんだろうか……

「駄目元でも電話してみるべきだと思う」

少し怖いけど掛けてみるか……

俺は心に背中を押されて
二十三年振りに心夜の実家に
電話を掛けた。

「はい、湯木です」

二十三振りに聞く心夜の声は
昔と変わってなかった。

「もしもし」

声で俺だと気付いたらしい。

「直……?」

すぐに気付いてくれて嬉しい。

「久しぶりだな」

「本当に直なのか?」

戸惑ってるみたいだ。

そりゃそぉか……

二十三年振りだもんな(苦笑)

「あぁ、俺だ」

心夜に伝えたいことがあるんだ。

「なぁ心夜、今更だけど
今でも愛してるんだ」

例え、心夜に新しい恋人が
居たとしても……

「直、それ本当?」

当たり前だ。

「あぁ、今も昔も
心夜を愛してる」

勿論、心も愛してるけど
それとはまた
別に心夜を愛してる。

「俺も愛してる」

ぇ!?ウソ!?

「本当か!?」

まさか、心夜がまだ俺を
愛していてくれたなんて……

「俺だって、直のこと今も昔も愛してる」


嬉しい//////

「また会ってくれるか?」

由那には内緒だけど……

「勿論俺も会いたい」

良かった(ホッ)

その後、今の携番を聞いて電話を切った。

「その様子だと心夜さんと話せたんだね」

嬉しさが出てたらしい。

心も嬉しそうにしてる(笑)

「あぁ……

最初は俺からの電話に
信じられなくて何回も確認されたよ」

二十三年という
年月は長かったんだと
心夜との電話でよく分かった。

「なぁ父さん、
心夜さんの気持ちは聞けた?」

心も気になってたのか……

「心夜もまだ俺のこと
愛してるって//////」

そぉ言ったら心の目がキラキラした。