「重くないよ、ほら、下を見てみろよ。」 私は抱かれたまま下を見下ろした。 「綺麗...。」 それ以外の言葉は出てこないほど美しかった。 漆黒の世界にちりばめられた宝石。 そんな言葉が似合っていた。 「ここは、帝国の中で最も高い場所だからな。気に入った?」 「とっても...。」 お母様やバアヤはミッドナイト帝国は危険だっていうけどとっても素敵な国じゃない! その時カイトが意味ありげな笑みを浮かべたことに私は気づいていなかった。