赤ちゃんが生まれて、
ちょうど一週間後の朝。
今日は晴也と赤ちゃんを見に来ていた。

眠ってる…

「「かわいいな…」」

晴也と言葉がかぶった。

「名前どうする?」
「う~ん…」
「ってかこの子は俺似だな!」
「違うよ、私だよ!」
「目とか見てみ?
 完璧に俺だろ。」
「今寝てるじゃん!」
「あ、そうだった。」

「またくだらない話して~」
「親になっても変わってないじゃん!」

後ろを振り返ると
拓実と奈実がいた。

「「沙耶、出産おめでとう。」」

そう言って拓実と奈実から
プレゼントをもらった。

晴也の病室に戻って開けてみると
ピンクのベビー服と白い帽子が入っていた。

晴也のお母さんも来てプレゼントをくれた。

「みんな…ありがとう!!」

私は言った。



ふと晴也をみると胸をおさえている。

もしかして
  ……発作?

「晴也、大丈夫!?」

私が駆け寄って言うと、
晴也はその場に倒れこんだ。

ナースコールを押すと、すぐに医者が来た。

「少し出ていてください!」

そう看護師に言われて
私たち3人は廊下に出た。

「晴也…晴也!!」

私は閉ざされたドアにしがみついた。

「沙耶!…っ沙耶!」

奈実に引き戻された。

「晴也が…死んじゃう!」

パンッ!

頬に鈍い痛みが走った。
奈実が私に平手打ちしたのだった。

「縁起でもないこと言っちゃダメ!
 沙耶が信じなくてどうすんの!」

私は奈実の胸にもたれて泣いた。