「じゃ、電気消しますね」
「うん。おやすみなさい」
ポチッ
・・・
あー、やっぱり寝れないや、私。何もないってわかってるけど、なんでだろう。緊張する!
「んー、寝れないね」
「私もそれ考えてました。なんでか緊張しますね」
「うん。女の子が隣に寝てるなんて、久しぶりだもんなー」
「どの位、彼女は作られてないんですか?」
「いや、割と最近だよ。先月、2年付き合ってた彼女と別れたんだ。」
「え、そうなんですね。どうしてですか?」
「いやー、まあ、お互い仕事が忙しくなってきたし、すれ違いかなー」
「へー。すれ違いは仕方ないですよね・・・」
「うん。けど後悔はしてないよ。でもたまに寂しくはなったりもする。市野ちゃんは?」
「私もなります。彼氏は1年くらい居ないんですけどね。もう、無理して欲しいとは思わなくなったけど、寂しい感情はたまに表れちゃいます。」
「人間だもんね」
「人間ですね」
・・・沈黙になっちゃった。
何か喋らなきゃ・・・えーっと~。
「・・・あのさ」
「はい!?」
「やっぱり隣で寝てもいい?床、痛いね」
「うわ、ですよね!それに冷たいし寒いでしょ?どうぞ!」
「ごめん。じゃ、失礼します」
「はい」
う、うわ。まさかの展開。心なしか端っこにずれちゃう。
「ごめんね、緊張するよね」
「いえ。お気になさらず」
うーわー、平静を装ってるけど、私、いっぱいいっぱいになってる。なんでこんなに緊張してるんだろうか。
「あのさ、腕枕だけしてもいい?」
え!
「ど、どうぞ」
「あー、そうそう、この感じ。頭の重み」
「あはは」
「久しぶりだなあ、これ」
「あはは」
「市野ちゃん」
「はい」
「緊張してるでしょ」
「うっ・・・」
「ははは」
佐々木さんは、笑いながらこっちを向いた。