缶ジュースを3本買って3階に戻り
ゴルフ練習場に入ろうとした時
中から話し声が聞こえ
思わず足を止める。


「約束したろ?
今週はダメだって…」

「はぁ?約束?
そんなのした覚えなーい!!
仁君が勝手にそう言っただけじゃん」

「お前なぁ~…」


約束?


「でもさぁ、あの彼女
仁君の事、好きなの丸分かりだね。
仁君も好きなの?」

「バカ!!関係無いって言ってるだろ?
島津はただの部下だ」

「へぇ~部下ねぇ…
でも彼女、元モデルでしょ?」

「ほーっ、よく分かったな」

「そんなの一目見れば分かるよ。
そっち方面の眼は肥えてるんだから…

それに仁君はモデルにモテるタイプらしいし
まぁ、遊びで付き合うなら、いい相手かもね」


遊びで付き合う…?


カシャーン…


その言葉を聞いた私の手から
缶ジュースが滑り落ちた。


会話が途切れた2人の視線が私に向けられる。


居たたまれなかった…


どうして大学生の小娘に、上から目線でバカにされなきゃいけないのよ。


仁も仁だ。
会社の人間じゃないんだから
私達の仲を隠す必要なんてないじゃない!!


彼女だと…認めて欲しかった…


気付けば、フィットネスクラブを飛び出し
タクシーに飛び乗っていた。


私の知らない所で、あんな子供みたいな娘と
何やってんのよ!!仁…


子供…?


まさか、あの娘…


仁の…