「安奈ちゃん…」
「あの2人、ホントに終わったと思う?」
それは、俺も感じていた不安。
安奈も同じ事を思っていたとは…
だが、そんな事、認めたくなかった。
「終わってるさ。星良は俺の女だ」
「ならいいけど…
蒼君、星良さんをしっかり捉まえててよ。
どんな事があっても、別れたりしないで…
もし、この約束をやぶったら…」
「約束をやぶったら…なんだ?」
「あの事、仁君にバラすから」
「あの事?」
「あたし、知ってるのよ。
蒼君が会社を裏切って、ピンク・マーベルの情報を流してる事…」
「……!!」
余りの驚きに言葉を失った。
どうして安奈が知ってるんだ?
「イヴの日の夜中にコンビニに行こうと思って玄関の扉を少し開けた時、話し声が聞こえてきて、聞いちゃったのよ。
蒼君がピンク・マーベルで関わってる仕事の内容とか、企画の進み具合を事細かに携帯で話してるのを…
あれって、イケナイ事でしょ?」
まだあどけなさが残る19歳の小娘に、俺は恐怖を感じていた。
なんてヤツだ…
「俺を…脅すつもりか?」
「ヤダ!!脅すなんて物騒な事言わないで。
あたしは仁君を誰にも渡したくないだけ。
それだけよ」
彼女の思い詰めた眼を見てゾクリとした。
安奈は本気だ…
そけほどまで水沢専務に惚れてるのか?
「心配するな。
俺はどんな事があっても、星良を手放したりしない。
それより、安奈ちゃんはどうなんだ?
あんなに年の離れた男と付き合ってて大丈夫なのか?
同棲してる事がバレたら…」
「…ママの事、言ってるの?
ママも仁君の事は知ってるわ」
「マジかよ?認めてるのか?」
「当然でしょ?私と仁君は、公認の仲なんだから…」
強い口調でそう言い切った安奈だったが、その視線は落ち着かずさまよっていた。
まるで何かに怯えている様に…



