平気、とは言ったが、正直言って、体中のあちこちに負った掠り傷や疲労は相当なものだった。


「やっぱり…真打ちってなかなか出ないものだね」

「そうね…」


 歩きながら、レイは答える。


「こんなにキツいと思わなかったなぁ…」


 わざと明るい調子で、ミサトは言った。

 不思議そうな顔 で、レイは聞き返す。


「キツい?」

「さすがに、ね。レイ、あんたは別にこたえてないみたいだね」

「…そうね」


 ミサトは、レイの様子が少し素っ気ないのに気が付いた。


「どうかした?」

「いいえ、何でもないわ。でもミサト、疲れたなんて言ってられないわよ。これからも敵がいつ襲ってくるかわからないんだから」

「う~……」


 ふと立ち止まって、ミサトは腕組みをして考え込む。