「あまり部外者には聞いてほしくないのよ。わかっていると思うけど、こっちの命に関わる重要な情報だから」

「ちょっと待ってよ、レイは新しく店に来てくれた人で」

「部外者には変わりないでしょ? 情報漏洩は命取りになるわ。それはあなたも充分承知しているはずよ、ミサト」

「それはわかるけど…」


 ミサトは困ったようにレイの方を見た。


「あ、私の事なら気にしないで下さい。席、外しますから」


 レイは笑顔を作り、ソファから立ち上がる。

 だがレンが口を開いた。


「その必要はねェ」

「あら、どうして?」


 ユイが聞き返した。


「もうすでに巻き込まれてるってことだ。俺たちと一緒にいたんだからな。当然顔も知られたってことだ」

「珍しいのね、レン。他人のことを気に掛けるなんて」

「俺は俺なりの意見を言っただけだ」


 何となく刺々しいユイの言葉に、レンはあからさまに不快な表情を浮かべた。