「あいつが待ってる。先に行ってろ」


 ポケットに手を突っ込んだまま回し蹴りをしながら、エイジはミサトにそう声をかけた。

 わかった、と答えるまでに一秒もかからなかった。

 それだけでもう、どこに行けばいいのかミサトには理解できた。


「行くよ、レイ。安心して、もう大丈夫だから」

「あ、はい」


 意味がわからないというように、レイは答えた。