In the warm rain【Brack☆Jack3】

「あたしが作ったの!」

「!!!!!?」


 目の前にどん、と出された“物体”に、レンは息を呑む。


「…なんだ、これ?」

「かに玉。見てわかんない?」


 さらりと言ってのけるミサト。

 方や、ひくひくと顔を強ばらせるレン。

 そのミサトの横でタバコをふかしているエイジに、助けを求める視線を送って。

 だがエイジは、何故か疲れた表情を浮かべ。


「…卵の割り方から教えたんだぜ?」

「あ、見た目は少し悪いけど、味はエイジが教えてくれたんだからね」


 確かかに玉って、黄色じゃなかったか? とレンは小さく呟いた。

 これはどう見ても、茶色だ。

 それも、限りなく黒に近い。