エイジがユイのもとに行ったこと、新しく雇ったレイ。

 不穏な連中との接触。

 もちろんこれだけでは何の確信も持てなかったが、自分の知らない場所で何かが動いているのは確かな気がした。

『明日になればわかる』

 さっき襲ってきた男は、そんなことを言っていた。

 ミサトは、体の向きを変えるとカウンターに突っ伏した。


「考えても仕方ない、か…明日を楽しみにしてるとしますか」


 軽く目を閉じる。

 その時、店のドアに備え付けてあるカウベルが鳴った。


「…何してんだ?」


 ミサトの姿を見るなり、レンは眉をひそめた。


「ずぶ濡れじゃねェか」

「…ちょっとね…」


 体を起こし、ミサトは頬にかかった髪の毛を払う。

 そんなミサトの様子を見て、レンも複雑な表情を浮かべた。