すると、物陰から何人かの男が現われた。

 それぞれに、バットや鉄パイプを持っている。


「ひぃふぅ…全部で五人か。たったのそれだけ?」


 指を差しながら数えて、ミサトは腰を低く構えた。


「ちょっと今、虫の居所が悪いんだよね。素人相手に悪いけど、手加減できるかどうかわかんないから」


 一人の男が飛び掛かってきた。

 振り下ろされた鉄パイプを左手の甲で弾き、男の鳩尾にパンチをくらわす。

 男はその場に蹲り、動けなくなった。


「…ほらね」


 にやりと笑い、ミサトは左手の甲をぺろりと舐めた。

 あまりの早業に、男たちは一瞬呆気にとられていたが、次の瞬間には一斉に向かってきた。

 ミサトは目を見開き、フッと息を吐く。