In the warm rain【Brack☆Jack3】

「後片付けはこんなものでいいかしら、ミサトさん?」


 そこへ、タオルで手を拭きながらレイがそう言いにきた。


「うん、ありがとう。今日はもう終わりにしよ。どう、これから一杯飲んでく? レンも一緒に…って、レン~?」


 振り返ると、そこにはレンの姿はなかった。


「ったく、あの無愛想男」


 ため息を吐き、ごめんねぇ、とミサトは謝る。


「いえ、今日は私もちょっと…」

「何よ、デートとか?」

「まぁ…」

「そっか、それなら仕方ないよね。楽しんできてね」


 レイは笑って、店を後にした。

 ミサトは入り口の鍵を閉めると、カウンターに座る。