In the warm rain【Brack☆Jack3】

☆  ☆  ☆




 雑魚にかまっている暇はない。

 だが、相手も素直に道を開けてはくれないらしい。

 それに、コイツ。


「…楽しいか?」


 一旦間合いを置いて、レンは言った。

 相手は短刀についた血をペロリと舐める。

 その表情は、レンが言うように楽しそうにしか見えなかった。


「…そうかよ」


 レン刀を1振りして、真っ直ぐに身体の前で構えた。

 相手が何故こんなに楽しそうなのか。

 それは、この相手も剣士だからだ。

 同じ剣士であるレンとの対決を、心から楽しんでいる。

 それならば、こっちも相応の態度で臨むのが礼儀というものだ。