In the warm rain【Brack☆Jack3】

『よくやったな』


「――……!!」


 どきんと、心臓が脈打った。

 その途端、左足に激痛が走る。

 思わず体勢を崩して、それでも倒れてはいけないと、必死で顔を上げる。

 目に飛び込んで来たのは、こっちに向けられた無数の銃口。

 ――こんな体勢じゃ、恰好の的だ。

 そう思って、身体の力を抜く。

 倒れ方が不様だったのが、何故か妙に腹立たしかった。


「………」


 だが、的になっている筈なのに、銃声が聞こえなくなった。

 ゆっくりと顔を上げる。

 変わらずに向けられている銃口。

 その中央には。


「…よくやったな、ミサト」


 操舵室のドアの前には、シュキが立っていた。