「…では…」


 部下は訪ねる。

 すると、シュキは微かに目を伏せ、口唇の端を小さく吊り上げてにやりと笑う。


「彼らは必ず、ここへ来る。私が思うに、エンジンを破壊して、二手に別れた1組はここへやってくる筈だよ」


 シュキの言葉は確信に満ちていた。

 そんなシュキの態度に、部下は訝しげな視線を投げ掛けている。


「どうしてそんなことが分かるのか、聞きたいという顔をしてるな」


 シュキは笑って、部下を見た。

 図星をつかれ、部下は困ったように苦笑する。


「…あの三人を育て上げたのは、この私だからね」


 少し俯き加減に、シュキは言った。

 部下は今度こそ困惑する。

 ――何故なら。

 その表情は、まるで親が子供に向けるような優しい微笑みだったからだ――。