In the warm rain【Brack☆Jack3】

 ミサトがジジイと慕っていた、ウー・イー・シーの前のボスであり、ユイの実の祖父であるハクの、形見とも言える鍵。

 ユイはそれを取り出すと、ミサトの手の平にそっと乗せた。


「ユイ…これ…?」

「あなたが持っていても差し支えないと思うの」

「相変わらず、ひねくれた言い方するんだね」


 クスクス笑いながら、ミサトは言った。

 ユイも笑い返す。


「じゃ、気合い入れるか」


 鍵をポケットにしまうと、ミサトも船室を出ていった。


「…そうね…もし帰って来れたら、もう少し素直にあなた と向き合えるかも知れないわ…ミサト」


 そう呟いて、ユイも歩き出す。