In the warm rain【Brack☆Jack3】

「我々も、組織でもトップクラスの実力を持っていた君たちを舐めてかかるようなことはしない。だからこそ、この多くの精鋭をこの場に集めたんだよ。大切なことは、適切な状況判断…そう教えなかったかね?」


 そう言うとシュキは、きびすを返して待機していた車に 乗り込む。

 その直前、シャンに一言、


「最後のチャンスだ」


 そう言い残して。

 そして、シュキはこの場を去っていった。

 シャンはその車を見送り、ゆっくりとミサトたち四人に視線を向けた。


「…やるしかないわね」


 ユイは銃を胸の位置に持ち上げる。

 だが、レンはその銃に手を置いた。


「待て、ユイ。今は逃げるのか先だ」


 神妙なレンの言葉をユイはすぐに理解する。

 レンの片腕に支えられているミサトの様子がおかしかった。