In the warm rain【Brack☆Jack3】

「…あなただったのね。シュキ」


 ユイは、ミサトが長年『焼き鳥屋の親父』と親しんできたその男を睨み付けた。


「これはこれはお嬢様、お久しぶりです。…大きくなられた」


 シュキは恭しく頭を下げた。


「目的は何なの」


 ユイは冷たい視線で言った。


「あなたはついでですよ、お嬢様。本当に消えてもらわなくてはならないのは、そこにいる三人です。我が組織に最も深く関わった人間を、野放しにしておくわけにはいかないんですよ。それが、唯一の掟なんです」

「知ってるのか、ユイ?」


 レンが聞いた。


「15年前に行方を暗ましたまま帰ってこない私の伯父よ。母のお兄様に当たる人でね…日本にいるなんて情報、私の所にも入って来なかったわ」


 まぁ、組織が組織だから仕方ないと、ユイは思う。


「そして、私はハク老師の右腕だった」


 シュキはユイの言葉を補充する。