「あなたは、何もかもを壊したかった」


 ユイは再びそう呟いて、小さな鍵を握り締める。

 終わったと思っていたが、あの組織が今なお誰かの手によって活動を続けているとするのなら。

 あきらかに、ハクの遺志に反することだ。

 いや、ハクの遺志がなくとも。


「やるしか、ないか…私たちの為に」


 ユイは、デスクの一番下の引き出しから、銃を取り出し、バッグの中にしまう。

 そして、オフィスを後にした。