In the warm rain【Brack☆Jack3】

「…わかったわ、エイジ。あなたは日本に飛んで。私がすぐにチケットを用意するから」

「オマエはどうすんだよ」

「私は…色々な準備をして、あとから行くわ。相手が相手だもの」

「…わかった」

「レンなら…大丈夫よ」

「あァ、俺もそう思う」


 あいつは殺したって死なねェよ、とエイジは笑った。


「だが、こうしちゃいられねェ…ミサトがもう出掛けたんなら、今すぐに出発しねェとな」

「傷の手当てくらいは、する時間はあるわ」


 ユイは部下に内線ですぐに、レンの捜索と日本行きのチケットを用意するように言って、オフィスの棚から救急箱を取り出した。

 手当てをする間、エイジは黙っていた。

 応急処置くらいは慣れている筈なのに、何故かユイの手は震えている。

 エイジは、その手にそっと自分の手を重ねる。