In the warm rain【Brack☆Jack3】

 その気持ちを察して 、ユイは胸を痛める。


「その拍子にあいつは海に落ちて…俺は逃げるのに精一杯だった…」

「そう…」


 ユイは、やっとのことでそう答える。


「…考えたくなかった可能性が…あるの…」

「あァ、わかってる。活動をやめたと思っていた組織が今、動きだした。今日俺たちを襲った連中は、間違いなく あの組織のヤツらだよ。証拠は何ひとつ残ってねェが…それが何よりの証拠だ。俺にはわかる」


 ミサトだけでなく、エイジやレンまでも狙われている。

 ユイは複雑な表情を浮かべた。

 レイの電話、エイジの言葉。

 どれも、つじつまが合っている。

 一番考えたくなかった可能性は、どうやら間違ってはいないらしい。