In the warm rain【Brack☆Jack3】

 同時に、頭の中で色々な可能性を計算している。

 そして、一番考えたくなかった可能性のひとつが浮かび上がってくる。


『ここまで言えば、わかってくれるかしら? ミサトが…殺されるわ』

「待って。あなたの目的は一体何なの?」

『私は、最後に友達として会いたかっただけ…唯一の“親友”に…』

「ちょっ…レイ!?」


 そのまま、電話は途切れてしまう。

 ユイはすぐさま上着を取り、オフィスを出ようとする。

 だが、ドアを開けると、そこにはエイジが立っていた。


「エイジ…!!」


 肩で息をして、とても苦しそうだった。

 白いシャツのあちこちから、血がにじんでいる。