In the warm rain【Brack☆Jack3】

 現場に行ってライフルを構えて、あらためてわかった。

 あの角度と、自分とレイが立っていた位置。

 そして狙撃の距離。

 狙っていたのが素人じゃないとしたら。


(レイの言う通り、狙われてたのは、あたしじゃないのかも知れない…)


 日本に行く理由は、もう一つあった。

 完璧に証拠を残さない。

 プロのスナイパーには、当たり前のようなことだったが。

 狙撃手が完璧に証拠を残さないことにより、ミサトの頭の中にはある一つの推理が浮かんでいた。


“ウー・イー・シー”


 そんなことができる人材を育てることができる組織。

 残されていたライフルは、まだ一度も使っていない新品だった。