「またサボリ?」
「…なんだ、お前か」
「お前はないんじゃない?
散々抱いておいて」
高くて甘い声が麗にかさなる。
さや。苗字は知らない。
ひっかけて抱いただけの関係、
「ね?ここでスる?」
「ふざけんな」
保健室ですらゆっくりできねぇ。
俺はイライラしながら
屋上の鍵をあけた。
鍵は卒業した先輩からもらった。
「はぁ…」
ため息はつきない。
俺の幸せはきっともう出尽くした
『ため息ついたら幸せ逃げる』
とかいいながら、一生懸命
吐いた息をすう麗華を思い出す
「ぷっ」
まじであいつばかだよな。
「………笑っ……た」
「え?」
振り返った先にいたのは
みたことねぇ、女。
