「おぉ、麗斗くん」
彼氏ズラすんなよ、
馴れ馴れしく麗斗くんとか。


「あぁ。佐川先輩」
「呼び捨てでいいよ。竜で。」
「じゃぁ、竜くんで。」
「敬語もやめろ、一個しか
かわんねーし!」


こーゆーところ。
爽やかで気取らなくても
かっこよくて、優しい。

完璧なこいつが、
麗華とお似合いすぎるこいつが
どうしても気に入らない。


「あれ?竜ちゃん?」
「おぉ、麗華。やっと麗斗と
話せたよ!」


心底嬉しそうな顔しやがって。
俺は無言でその場を立ちさる。
「麗斗??」


聞き慣れた麗華の可愛い声に
今はどうしようもなく
耳を塞ぎたくなる。



イライラして、頭痛もする
一度も教室に向かうことなく
俺は保健室に入った。