泳げない組の最後尾、麗華。
最も泳げる組の最前列、あや。
「まずアップするぞー。
クロール25m!よーいすたーと」
あたしの前の子はみんな
ゆっくり泳いでる。
学年一ふくよかな鳥谷さんもいる。
多分あたし大丈夫だよ!
前の人が5mのラインを超え、
麗華が着水した。
25m?なにそれ。簡単じゃん!
25m先には満面の笑み、麗華。
あやがため息ひとつ。安心だ。
その向こうで楓もため息ひとつ。
「じゃぁ50m、平泳ぎな」
るんるんで着水麗華。
23mあたりから、体調がおかしい
息が異常に苦しい。
体も痺れてる気がするし気分が悪い
35m、もう、しにかけ。
50m。気を半分失った麗華浮上。
「あの、麗華ちゃん。顔色悪いよ?」
「ほんと?へいきだよ」
負けず嫌いな性格。
一度始めたことを途中で
投げ出したりしたくない。
「次!背泳25m」
25mの数字を聞いて安心する。
心臓が生きてきた中で一番早く
動いてる。つらい。
終わりまであと15分。
麗斗が、ゆっくり目覚めた。
携帯を開く、あやからのメール。
嫌な予感が胸を支配して、
本文を読む。
飛び起きた……
あやが、心配そうに一番端の
コースをみる。
「顔色がわるい…」
気持ち悪いほど真っ青な顔をした
麗華が壁にもたれて息を整えてる
胸に手を当て俯いた。
「麗華!!」
コースを区切るウキを持ち上げ
向かおうとするその横を
何者かが泳いでよこぎる。
「か、楓……」
「おいちび!!なにやってんだよ」
麗華を抱き上げプールサイドに
あがる。
「おい、がり!早く着替え」
「う、ん」
あいつ、なんで??
更衣室から自分と麗華の着替えを
抱えて二人を追いかけた。
