愛し愛され愛し抜く。



「あら。麗華もういいの?」
「あや、会いたかった?ふふふ」


「片割れ。もう大丈夫なの?」
「うん、多分ね。体調悪そう
だったらすぐ親に連絡して?」

「はいはい」


まって、完全にあたしの存在
無視されてるよね?うん。


麗斗は心配性すぎる。
あたしそんなもろくないよ?

「おう、チビ。もういいの?」
「チビじゃなくてあんたが
でかいだけ!大丈夫。」


沢田楓。あたしのライバル!!

「楓〜こっちきなよ〜」
なのになーぜーか!
女子から異様にもてる。


あんなやつのどこがいいのか。
麗斗の方がよっぽどかっこよくて
優しいんだから。


「麗華、んじゃ帰りね?」
「う、うん!!」


「ほんと片割れの溺愛ぶりには
呆れるわ。」

「心配性なんだよね」


同じ顔なのにどうしてこうも
中身がちがうのだろう。
何でもできる麗斗と
何にもできないあたし。


甘えることしかできない自分が
たまに嫌になることもあるよ。


頭は相変わらずボーッとしたままで
気づけば昼休みで気づけば
先輩が目の前にたってた。


「外、いける?」
「あ、うん。」


竜が優しい顔をするたびに
胸の奥がちくちくする。


考えないようにしてた。
好きってどういう気持ちなのか、
私は竜のことを本気で好きなのか、


いつも優しい麗斗の顔が浮かんで
最後までできなかった罪悪感を
消してくれるのは麗斗だった。



「大丈夫?かぜ?心配した。」
「心配かけてごめんね……」
「あと、この前ごめん」
「あたしこそ、竜の気持ち
考えてなかった。ごめん」



ぎゅっと、抱きしめられる。
比べる、相手は、麗斗。



「俺ね、麗華が大好きだし
傷つけることはしたくない。
だけどいつまで我慢できるかは
わかんねーんだ」


「ん、そだよね。あたし…
体力つけるね、ははは」


うまく笑えてるかな?
なんか…恋人のゴールはそれ、
みたいに言われていやだな。



「麗華水泳受けてないけどさ、
水泳って一番体力つくし、
成績もあがるしいいんじゃない?」


水泳の授業はだめだって
家族みんなに言われてた。
あやだってきっと許してくれない。


だけどあたしだって受けたい。
受けたくても受けられないのに。
いろんな嫌味も言われたけど
全部麗斗が受け止めてくれてた……


「すい、えい……うん……」
「戻る?そろそろ」


一口も手をつけてないお弁当。
「あたしトイレいくから、
先もどっといて」


明るく振舞わなきゃ。
あたしが変なんだよね。
竜みたいに思うのが普通で
麗斗がやさしすぎるだけだよね。



一人膝を抱えてないた。