「た、ただいま!!」
「おかえり、ふふっ」
「なに笑ってんの?」
「なんでもにゃいよ」
にやけすぎて舌を噛んだ。
妹思いの優しい麗斗。
「麗斗って彼女とか…いるの?」
なぜか雰囲気的にわざと
さけてきた麗斗の恋愛話。
「いるわけないでしょ。
おれもてないからさ」
苦笑いする麗斗、
もてないなんて大嘘。
真っ赤な嘘。
告白現場を5回は目撃したし
毎日呼び出されてると聞いた。
でもたぶん聞かれたくないんだ
苦い顔してるもん、兄が。
もしかして。すきなひと?
ずっと好きな人がいるとか?
え?だれそれ。
こんなに、そばにいるのに
気付かないなんて……
あたしは麗斗を理解しきれてない?!
「ちょ、れい?
一人で妄想先走ってるよ。
落ち着いて、息をして。
自分を責めないで?」
「あ、あたし!だめだね!
ちゃんと麗斗をりかいする!」
「ちがうんだ…ん…もういいよ」
優しく微笑んでる!
喜んでる!
大事な片割れのために!
明日から調査だ!
〜reiCa side〜
