「麗華大人しくしてる?」
「うん、へいき」
心配性だよほんと。
あたし以外に優しくするところを
見たことがないとあやから聞いた。
あやはあたしの親友で
中学から一緒だし、麗斗とも
なんだかんだ仲良しだ。
「麗斗、うつるよ?」
「いつもの事。俺は強いから」
麗斗だってよく風邪をひく
麗斗は怪我もする
ぜ、全部あたしのせいだけど…
「自分を、大事にして?」
あたしと同じぐらいの大きさの顔
ほんとに小さい……
そっと両手でつつみこむ。
ほんのりあったかい。
「ね?」
「あ、え、うん!」
突然立ち上がった麗斗は
走っていった。
トイレ我慢してたのかな。
「麗斗…かわいい」
トイレ我慢してたんだと思うと
笑いがこみ上げて来る。
くすくすと肩をゆらす麗華を
ドアの外でちらみ、麗斗。
愛しい姿に赤面した。
