「あ、あの………着きましたよ」
申し訳なさそうに運転手の人に声をかけられ、我に返る。
「蓮、起きて。着いたよ」
「チッ……」
「ひっ、す、すみません」
蓮は起き上がると、舌打ちをし運転手を睨み付けたため、運転手の子は怯えてしまった。
「蓮、眠いのは分かるけど、運転手の人に当たっちゃダメだよ」
「………あぁ」
睨んでいた視線をこちらに向け、複雑そうに頷く。
「すいません、送ってもらったのに…いつもありがとうございます」
「い、いえ…こちらこそ送らせて頂いて光栄ですので…」
お礼を言うと運転手の人はチラチラと蓮を伺い見る。
何で?と思って蓮を見るけど、明後日の方向を向いている。
怯えている運転手の人を不思議に思いながらも、もう1度お礼を言って歩き出す。


