「……ここどこ?」



校舎に入ってから20分たった今、私は迷子になっていた。



「地図があったら良かったのに…」



私立なだけあって無駄に広い。



今日中にたどり着けるといいけど。



小さくため息をついて歩き出すと廊下の角を曲がってすぐ、向こうから歩いてきた人にぶつかってバランスをとれずに尻餅をついてしまった。



「っ……痛い」



「あ”ぁ?…女かよ」



声のしたほうを見上げると、銀色の髪をした一般的にイケメンの部類に入る男が立っていた。



さらには、優に180cmは超えているだろう身長。



こういう男がモテるんだろうなぁと何気なしに男を見上げ考えていると、



「チッ」



何故か舌打ちをされた。