「由美、拉致をされたら洒落になんねぇんだ…教えろ」
家を教えるのには抵抗があるが……そうも言ってられないか。
姫になるのを了承したのは私なんだから。
「……ここから真っ直ぐ行って最初の角で右、そのあとはずっと真っ直ぐだよ」
「分かった」
それだけ言うと、今言った道順に従ってバイクを走らせる。
少し真っ直ぐ進むと、見慣れたマンションが見えてきた。
「ここ!!」
「1人暮らしにしては大きくねぇか?」
バイクを止めながらもっともな質問をしてくる。
「そうなんだよね、部屋が余っちゃって掃除がめんどくさい…」
頷きながらバイクを降りると、真剣な表情をした蓮にジッと視線を送られた。
「そうか………由美、溜め込むんじゃねぇぞ」
「え?何のこと?」
急に話を変えられ、何のことか分からない。


