返事をしてすぐに走り出したバイクに驚き、慌てて蓮の背中にしがみつく。
「そうじゃねぇよ、腰の方に腕をまわせ」
赤信号で止まった時に腕を腰へと移動させる。
必然的に近くなる身体から香るシトラスの香水に、不覚にもドキッとしてしまった。
それを見られているわけでもないのに、誤魔化すように顔を横へと逸らし、流れていく夜の街を眺めた。
しばらくしてゆっくりと減速していくバイクに、前を覗き見るとコンビニに着いていた。
「おい、コンビニからどう行けば良い?」
1度止まると、顔をこちらに向けて家の位置を聞いてくる。
「え?ここでいいよ」
「どこだ」
「コンビニ」
「どこ…「コンビニ」」
しつこいと、蓮の問いかけに被せる。
「コンビニから家までどれくらいだ」
「5分ぐらいだよ」
「やっぱだめだ、教えろ」
心配しすぎでしょ……たった5分だよ?
コンビニからの道なんていつも歩き慣れているし、心配しすぎだと思うんだけど。


