「じゃあ、邪魔者は退散するよ………蓮にたくさん甘やかして貰ってね」



それだけ言うと部屋から出て行った。



「怖い夢は見なかったか?」



朔が出て行ってすぐ、蓮は心配そうに私に問いかけてきた。



さっき安心して眠ったときの事だろう。



「うん、安心して寝れたよ」



「そうか………不安な事があったら言え、1人で溜め込むな」



「………ありがと」



溜め込むな…か、それはできそうもないよ。



これは私の運命……私の背負うべき闇だから……。



この先、運命と言う名のレールの上を歩き続けるしかないんだ…。



そうは思いながらも今だけは……と目の前にある温かな温もりに縋りつき、穏やかな時間を過ごした。