「ずっとごめん……疲れたよね」



名残惜しいと思いながらゆっくり蓮から離れようとすると、強い力で引き戻された。



「疲れてねぇから、このままでいい」



また私を包み込む暖かい温もりに安心して擦り寄る。



「仲睦まじいね」



そんな私達に穏やかな声が掛けられ、そちらを向くと穏やかな笑み携えている朔が視界に入った。



朔の存在を忘れていたと慌てて離れようとするが、腰に回った腕に邪魔されて動けない。



「気にするな、ゆっくりしてろ」



「………ありがと」



そう言われながら頭を優しく撫でられ、抜け出す気はなくなってしまった。



それにまだ不安が拭いきれなかったため、ほっと息を吐いて身体を預けた。