トレーの上の茶碗からは湯気が立っている。
「うどん……ですか?」
まさか私のためにうどんを作ってきてくれるとは思っていなかったため、呆然としながら律さんを見た。
「ええ、何か食べないと良くならないと思ってね……あ、もしかしてうどんが嫌いだった?」
「い、いえ、そういうわけでは……嬉しいです」
律さんがわざわざ作ってくれたこと、心配してくれたことが嬉しくて顔が綻ぶ。
「そう良かったわ、ゆっくり食べてね……蓮は看病しっかりやりなさいよ」
そんな私を見て微笑んだ律さんはトレーをテーブルに置くと、蓮に念を押し、
「分かってる」
そう言い頷いたのを確認すると、すぐ部屋を出て行った。


