「お帰りなさいませ、蓮様」
玄関に入ってすぐ、メイドのお出迎えを受けた。
メイドの人は私を視界に入れると一瞬驚いたようだが、すぐ蓮に向き直った。
「ああ、部屋は用意できてるか?」
「はい、こちらです」
……メイドまでいるんだ。
私達はメイドの先導で部屋へと向かう。
部屋に着くとメイドがドアを開け、招き入れてくれた。
「こちらのお部屋です」
「うわっ、広いな………蓮、こんなに広くなくていいよ」
「気にするな」
気にするとかの問題じゃないよ。
こんなに広くても使わないし、お世話になるんだから、もっと物置みたいなところでもいいのに…。