男達は突然のことに体勢を崩しながらも、腕を伸ばして捕まえようとしてくる。
だけど、そんなにあっさり捕まるほど甘くはないよ。
「草津( くさつ )さんっ!女が逃げました!」
私に気がついた男の1人が、あの不気味な笑みを浮かべてふんぞり返っていた男に向かって声を張り上げた。
「なっ!?いつの間に……お前等そいつはもういいっ!女を捕まえろ!!」
よし、思惑通り……これで海斗からあいつ等を離せる。
「っーー馬鹿!!何やってる早く逃げろっ!!」
痛みから顔を歪めながらも必死に叫ぶ海斗に視線を走らせる。
いくら標的が変わったとはいえ、ギリギリまで引き付けないと…。
海斗から倉庫の方へ視線を移し、小さく舌打つ。
倉庫には逃げられないか……助けは期待できないな。
倉庫に続く道は男達によって塞がれていて、突破は厳しい。
一瞬の間で逃走経路を考えていたが、すぐ間近まで相手が迫って来た。
「捕まえられるもんなら捕まえてみな」
不敵に口角を上げ、挑発してから迫ってくる男達に背を向け走り出す。


