「ああ」



蓮はそれだけ返事をすると、また目を閉じてしまった。



「由美ちゃんも寝てていいよ。しばらくかかるからね」



そんな蓮をジッと観察していると、朔が助手席から穏やかな顔を覗かせた。



確か、2時間位だっけ…。



「じゃあ、お言葉に甘えて寝ようかな」



「うん、着いたら起こすね」



「ありがと」



隣で眠る蓮の邪魔にならないようドアにもたれ掛かる形で目を閉じる。



車の揺れでドアに当たるところが少し痛いが、寝れない程ではない。



寝やすいようにしばらく体勢を変えていたが、車内に流れる音楽が眠りへと誘ってきた。



私はそれに抗わず、眠りについた。