「ううん、嬉しかったから《ありがとう》だよ」
「じゃあ、どういたしまして」
嬉しそうに笑う陽に合わせて、また笑顔を貼り付ける。そんな中、ふと周りを見ると先生はいないし、結構いない生徒も多い。
さすが不良校。
「どうしたの?黙り込んで」
「んー、授業ないのかなって思ったの」
「あぁ、ほとんど自習だよ。唯一数学だけはあるけどね」
自習が当たり前だと言うのに、何故数学だけ?
「なんで数学はあるの?」
「さっきゆみりんと来たこばちゃんが担当だからだよ。怒るとすっごく怖いんだ」
來ちゃんのあだ名がこばちゃんって似合わなさすぎ。
「へぇ、だから数学だけなんだ」
「うん」
まぁ、來ちゃんに恐怖を感じるのは分からなくもない。
さっきの静寂も來ちゃんの恐怖を知っているからこそなんだろう。


