「では、案内しますね。今日もいつものところでいいですか?」
「はい。お願いします」
朔が返事をすると、店の奥へと歩いていく総に皆がついて行く。
奥に進むと、私たち5人には十分すぎるほど広い部屋があった。
そこに等間隔で並べられた椅子に、皆が座ると総がメニューを用意してくれた。
「ごゆっくり」
お決まりの言葉の後、扉に手をかけた総だったが、何か思い出したような表情で私を見た。
「由美さん。気付いていないと思いますが、懐かしいものがここにありますよ。気が向いたら探してみてください。では、失礼します」
今度こそ部屋から出て行った。
「………懐かしいもの?」
総の言っていた懐かしいものが何のことか分からず、首を傾げる。


