暑いのを紛らわすために人間観察でもしようかと周りを見渡すと、このソファーの周りを銀狼の子達が囲んでいることに気がつく。



……皆、本当に蓮達を尊敬してるんだ。



「ほら、始まるぞ」



感心して周りを観察していると、どうやらやっと始まるみたいだ。



『えーでは、これより終業式を始めます。



まずは、小林先生のお話です』



來ちゃんは名前を呼ばれると、堂々と舞台に上がり話し出す。



『えー、待ちに待った夏休みだ。喧嘩をするなとは言わねぇが、警察の世話になるのだけは避けろよ。



後は、宿題………サボるんじゃんねぇ。サボったら倍の課題が待っているからな。……俺からは以上だ』



『ありがとうございました。次は、理事長からのお話です』



たっちゃんは凄く眠そうだ……どうせ遅くまで飲んでいたんだろう。



『えーっと、言いたい事は小林先生が全部言ってしまったので、話す事はありません。
……では、夏休みを満喫してください』



いくら眠いからってそれはないだろう。



「理事長眠そうだったね。挨拶適当だったし」



……昔から自由奔放なのは変わらないな。