「それで僕達の事だけど……銀狼って言う暴走族は知ってる?」



「銀狼……全国No.1の族?」



突拍子もなくそんなことを聞いてくるので、首を傾げながらも知っていることを口にする。



「……俺等の事は知らねぇのに銀狼は知ってんのかよ」



蓮は不機嫌にそう言うが、当たり前じゃないか。



組織として銀狼は知っていても、それに関わりのある人まで知りたいとは思えないのだから。



「いろんな所で噂されてるから名前だけは知ってる」



「そっか、なら簡単だよ。僕達が有名な理由はその銀狼のメンバーだからだよ」



銀狼のメンバー……だから知らないって事に驚いてたんだ。



話に銀狼が出てきた時点で薄々分かっていたことだけどね。



「ふーん、そう」



それだけのことか…と晴れた疑問のつまらなさに素っ気なく言葉を返す。



「え?それだけ?」



すると2人とも目を見開き私を凝視してきた。