ハル君に連れられて来たのは誰もいない屋上。

風が気持ちいい……。


「本当、心臓に悪い……」

「え?
ハル君、どっか痛いの?」

「そうじゃなくて」


ハル君は小さく笑ってあたしの方を見た。


「……あんなこと、突然言うなんて……ずるいっしょ」

「えっ…………」


ハル君が……ハル君が……


「ハル君……顔赤い」

「ちょっ……そこには突っ込むなって。
そういう七海だって赤いし」

「だ、だって!
まさかあんなこと言っちゃうとは……」


自分でもビックリしたんだもん……。


「無意識ってこと?」

「うん……」

「ははっ!
でも、何かそれって嬉しいかも」

「え?」

「無意識で俺のこと好きって言ってくれたわけでしょ?」


あっ………そうだ。

無意識ってことは………

あたし、どんだけハル君のこと好きなの……!!