「ハルの悪趣味ー!
ハルなんかもう王子様じゃない、エセ王子だ!」
「はいはい」
「ちょっ……もうちょっと何か反応して!
エセ王子なんて嫌でしょ?
本物の王子がいいでしょ!?」
「別に王子じゃなくていいし……」
「王子って呼ばれてるクセに!?」
「俺が言い出したことじゃないから」
「かー!これだからイケメンは!
もうハルなんかエセ王子で十分だ!
ね?ナナちゃん!」
んー……ハル君は……。
そうだなぁ……。
「……ハル君は王子様だよ」
あたしがそう言うと、ハル君が少し驚いたようにあたしを見た。
「な、ナナちゃん……!?」
「いつもの優しいところも、ちょっとイジワルなところも。
全部……全部、あたしは好きだよ」
……ふと気がつくと、ハル君もイッ君も風見君もこっちを見ていた。
……はっ!!
あ、あたし……サラッと何てことを……!
は、恥ずかしい……。
「すげぇ。大胆告白」
そう言ってニヤッと笑う風見君。
「ち、ちがっ……そうじゃなくて!」
「陽斗も伊沢も顔真っ赤」
「「なっ………!!」」
「何だ、惚気かよー」
ブーとイッ君が頬を膨らませる。
どうしようか……と一人で焦ってると、誰かに腕を掴まれた。
「え……?」
「こっち、来て」
あたしはハル君に引っ張られながら教室を出た。

