「こう？」
只今、海里のドリブル練習中。
小さな手で一生懸命ボールをついてる姿は本当に可愛い。
……あ、別に俺怪しい人じゃないから。
「あ……」
上手くできなくて、すぐボールはコロコロと転がっていく。
「むー……ハル兄ちゃん、お手本見せて！」
「お手本？」
海里からボールを受け取って、軽くボールをつく。
すると、「うわぁ」と海里がキラキラした目で俺を見てきた。
「ハル兄ちゃんカッコイイ！」
「え……そうか？」
「うん！
ね、あそこにボール入れて！」
そう言いながら海里が指差したのはゴール。
シュートしろってことね。
「いいよ」
ゴールから少し離れ、ドリブルをする。
ちょっと助走をつけてからのシュート。
シュッと音をたてながらボールが落ちてきた。
それを拾って振り返ると、海里がパチパチと拍手した。
